看護におけるフットケアの重要性と役割

これまで日本には足専門の医師がいなかったため、足のトラブルはおもにネイルサロンなど美容施設でしかケアできませんでした。現在では、足を専門とする医療機関が増え、看護師によるナーシングフットケアが、大いに注目を集めています。足の健康を保つことは、患者さん、高齢者の方のADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)の向上につながります。足は全身を支えているので、ケアを怠ると多くの障害を招きます。高齢の糖尿病患者さんの中には、フットケアを行わなかったため、半寝たきり状態になっている方も少なくありません。寝たきりになると、血行が極端に悪くなり、糖尿病の症状が悪化します。適切なフットケアにより、症状が進行するのを抑えることができます。重度の糖尿病は、足の壊死や切断を招くこともあります。フットケアで患者さんの足、また命を守ることが期待できます。

認知症、糖尿病等の高齢患者さんにフットケアを実践することで、転倒を防いだり、自分で歩く力が向上して医療費削減につながったという研究報告もあります。また、脳梗塞や心筋梗塞はよく耳にしますが、足梗塞という言葉もあります。血流が悪くなり、足の血管の梗塞が起こることを、フットケア・日本足学会では足梗塞と呼んでいます。糖尿病患者さん以外の方にもフットケアは重要です。フットケアを行う際に重要なのが、足の状態を観察することです。足の裏、指の間、足の爪など、しっかりと観察しながらケアします。医療・治療の知識を持つ看護師がフットケアを行うことで、足病変の早期発見、予防に貢献できます。